淡雪
買い物がえりの私の数歩先を、白衣姿の女性が 歩いている。知ってる人だ。
彼女は 近所の調剤薬局の薬剤師さん。60代の 品のある女性だ。
どこにいくのかな。手に 袋を持っている。おそらく 薬を届けるところなんだろう。デリバリーシステム、、、?
歩きながら、思い出していた。そういえば 数年前、親知らずを抜歯した折、家も近いので 調剤でお世話になった。ああ、、、あの時、、、。
抜歯のダメージと、まだしっかり効いている麻酔のせいで、ヨロヨロと入った薬局。処方箋を出し、薬の説明をうけ、支払った。お釣りをもらう、その時!
暖かい両手で そっと私の手を包んでくれたのだ。
いやいや、お釣りを落とさないように渡したかっただけなのかもしれない。理由はどうであれ、癒されてしまった、というか メロメロになってしまった
(*´ω`*)ゞ
さりげなく 嫌味なく 人の心をつかむ効果抜群の方法を 知っているひとたちがいる。
また、ある知人を思い出していた。彼女は 会話のなかに 何度も 私の名前を挟む。しょっちゅう会うわけではないのに、とても親しく感じてしまっている私。
きっと彼女は 人の顔と名前が一致しないことなんてないんだろうな〜〜、真似してみようかな。ばったり顔見知りにあってお喋りした時、 サヨナラするまで その人がいったい何という名前なのか 結局わからずじまいなことが よくある。うん、 いい考えだ。来年は つとめて そうすることにしよう。
時代の振り子が、都会的で洗練された合理的なものが クールだと考える風潮から、田舎的で温かくて 人情味のあるものがいい、という方へ 振れ戻してきてるのか、それとも 私が そう感じるだけなのか。
おやおや、私の前を歩いていた白衣の天使さん、これまたご近所の おじさんの家の前にとまり、ポストにお薬を投函。メール便だった。。。
彼女が 誰かの手を握る姿をリアルに想像していた私の妄想は シュッと消えてしまった。
捕まえた!! この椎茸、このあと猿に変身して 逃げ出すつもりだったにちがいない。(*´艸`)